小坂流加著の「余命10年」が2022年に映画化することが分かった。メガホンを取るのは、映画「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」で監督を務めた藤井道人。“涙よりせつないラブストーリー”の映像化に、ファンから反響が相次いでいるようだ。
本作の原作小説である「余命10年」(文芸社文庫NEO)は、2017年に刊行された恋愛小説だ。数万人に一人の確率で罹る不治の病に侵され、余命が10年であることを知る主人公・茉莉(まつり)。「私は死ぬ、それだけは決まっているんだから、安心して。」と未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。恋はしないと心に決める茉莉だったが小学校の同窓会で真部和人と再会。「出会わなければよかった。だけど、もう、出会ってしまった。」と病気を隠し、茉莉は和人と恋人同士になる。余命年数が減っていくなか、茉莉は「どうか私に、死にたくないと思わせないで。」と考えるように……。死ぬと分かっている者による、残された者への思いやりを描いたラブストーリー。涙よりせつないといわれる結末が、これまで多くのファンを虜にしてきた。
原作小説を手掛けた小坂は、難病により2017年に夭逝した小説家。同作の編集作業が終わった直後、病状が悪化し刊行を待つことなく逝去した。今回の映画化にあたり藤井は「当たり前が当たり前ではなくなったこの世の中で、小坂さんが残してくれた『余命10年』という作品が、皆さまの明日を生きる糧となるように、信頼するキャスト・スタッフと約一年に渡り四季を撮り続け、この映画に向き合って来ました。」と映画に対する意気込みを語った。
不朽の名作には喜びの声を寄せるファンが多い様子。SNSでは「小説の繊細な表現が、どんな風にスクリーンに映し出されるのか楽しみ」「ティッシュ箱でもっていかないと……」「映画化嬉しい!お空の作者様に届くといいな」といったコメントが多数見受けられる。
多くのファンが期待を寄せる映画「余命10年」。様々な情報解禁とともに、2022年の公開を待つとしよう。