エンタメ要素盛りだくさんの新庄監督 根底には阪神時代の恩師・野村氏の教え

エンタメ要素盛りだくさんの新庄監督 根底には阪神時代の恩師・野村氏の教え

日本ハムの新監督・新庄剛志氏(49)が4日就任会見を行った。

「監督と呼ばないで。ビッグボスでお願いします」
ワインレッドの上下スーツにホワイトの大きな襟を立てたド派手なコーディネートで登場した新庄“ビックボス”は、始終新庄節が炸裂。ただ彼の方針は野球に対する敬意や情熱がところどころ感じられた。

「優勝なんか一切目指しません、僕は」
仰天発言が多々見受けられた中、この発言に驚いた方も多いだろう。この発言には、新庄が基本に忠実に練習を積み重ねていく方針が根底にあった。「『高い目標を持ちすぎると、選手というものはうまくいかない』と僕は思っているんですよ。一日一日、地味な練習を積み重ねて、シーズンを迎えて、何気ない1日を過ごして勝った、勝った、勝った。それで9月あたりに優勝争いをしていたら、『さあ優勝を目指そう』と気合の入り方が違うと思うので、そういうチームにしていきたいなと。優勝なんかは目指しません」

さらにはチームの底上げには「人間教育」が大切だと語った。これは「人として成長なくして技術的成長なし」が口癖だった阪神時代の恩師、野村克也監督の「ノムラの教え」をしっかりと継承していることが明らかだ。「プレーは実はみんなうまいんですよ。あるキッカケをつかんでもらえればドッカーンといく期待はしているので。でも人間性というものはなかなか変わらないと思うので」と選手を評価しつつも、チーム力の強化に力を入れていることがうかがえる。

そして「(新人選手だけでなく)全員がドラフトでかかった選手だと思ってるんで、レギュラーなんて1人も決まっていません。」と選手に対しては平等にチャンスがあることを明らかにした。続けて「新人、2年目、3年目の選手がキャンプでガッと伸びたら全部若い選手で固めるかもしれないし、『開幕投手が誰』とかまったく決めてないし、今年入ったドラフト1位の子が開幕投手で投げているかもしれないし、そういった争いをどんどんさせたいと思います」

また平等で見るにあたって、新庄は「選手の顔と名前は、まったく知らない」という。しかし「プレーはしっかりインプットしています。だからキャンプに行って顔と名前とプレーの答え合わせをして、いいチームを作っていきます。だからみんな(スタート)ラインは一緒。」とし、オフの過ごし方については「キャンプに入る前、スタートラインに立った時にはほぼレギュラーは決まっていると思います。だから、オフシーズンに自分でいろいろ考えて、体をつくって、頭の中をアップデートして、このラインに立って。厳しくなると思います、僕がやってきたので。そういう気持ちでオフシーズンを過ごしてください」と厳しい言葉も目立った。

また自身についても1年契約と厳しい選択をしたことを明かす。「複数年契約をすると甘えが出てくるので、いいものはひとつもないんですよ。だから1年、1年勝負をしようと。」

球団だけでなく、野球界をも変えていくと宣言した新庄“ビックボス”。来シーズンは野球界の盛り上がりに期待したい。

芸能・スポーツカテゴリの最新記事