フランスで開催されていた世界三大映画祭の1つであるカンヌ国際映画祭にて、浜口竜介監督(42)の『ドライブ・マイ・カー』がコンペティション部門にて脚本賞を受賞した。日本映画で同賞を受賞した人物はおらず、初の快挙。浜口監督は「寝ても覚めても」以来3年ぶりのコンペティション部門の出品であり、最優秀賞こそ逃したものの日本映画の歴史を変える受賞となった。『ドライブ・マイ・カー』は公式上映後に絶賛する声が相次いでいた。
同作品は原作が村上春樹氏の短編小説という点でも話題を呼んでいた。浜口監督は原作の魅力を損なわないように脚本作りを行ったという。原作は短編集『女のいない男たち』に収められている。
浜口監督はベネチア国際映画祭にて監督賞である銀獅子賞を受賞した黒沢清監督の『スパイの妻』の企画と脚本を共同で担当。また今年3月のベルリン国際映画祭では監督作の『偶然と想像』が審査員大賞(銀熊賞)を受賞したことでも話題となっていた。わずか1年の間で世界の主要な映画祭を席巻する活躍ぶりだ。
またカンヌ国際映画祭では、審査委員長を務めたスパイク・リー監督(64)が最高賞であるパルムドールの受賞作をフライング発表するという騒動もあった。
『ドライブ・マイ・カー』のあらすじは以下の通り
西島秀俊(50)扮する舞台俳優兼演出家は2年前に脚本家である妻を亡くしている。そんな主人公は、演劇祭で訪れた広島にて寡黙な専属ドライバーと出会い、自身を見つめなおしていく。