競技として主にコンピューターゲーム・ビデオゲームを用いた対戦を行うeスポーツで、全国初となるシニアチームが秋田市で発足された。チーム名は「マタギスナイパーズ」。同シニアチームの66歳~73歳の男女8名から成るチームで平均年齢は65歳以上だ。
一般的なスポーツと異なり、eスポーツは基本的に筋肉量や肺活量といった身体能力が結果を大きく左右する競技ではない。しかし、プレイするゲームの種類によっては、ゲーム自体の知識量や思考力に加えて、高い動体視力と反射神経が求められる。
知識量や思考力はトレーニングによってカバーできるケースがあるものの、動体視力や反射神経はどうしても加齢に比して衰えていくものだ。そのため、大会で賞金を稼ぐクラスのプロゲーマーは、一般的に20代~30代が活躍の最盛期とされる。
一方で、ゲームのタイトルによっては、シニア限定の大会で活躍しているプロゲーマーチームも存在する。スウェーデンのプロゲーマーチーム「Silver Snipers」は62歳~81歳の男女5名で構成されており、平均年齢は67歳だ。2019年には、スウェーデンで開催されたシニア限定のeスポーツ大会で見事に優勝を果たした実績がある。
このように、老若男女を問わずプロとして活躍できる可能性があり、幅広い世代が楽しめる点がeスポーツの魅力と言えるだろう。秋田市のマタギスナイパーズは今後、eスポーツの実況収入や大会への参加などを通じて、プロゲーマーチームを目指すと表明している。
また、ゲームのプレイ中は頭を使いチームメンバーと作戦を練ったり、目と手を能動的に動かしたりするため、認知症の予防としても効果が期待されている。
世界の競技人口は2021年時点で1億人以上と言われているeスポーツ。近年は、億単位の賞金が出る世界大会で優勝する10代のプレイヤーが現れて話題になった。今後はプロを目指す「マタギスナイパーズ」を筆頭に、シニアゲーマーたちの活躍にも目が離せない。