映画『エッシャー通りの赤いポスト』の予告編が初解禁された。ワークショップに参加した役者とともに作り上げた本作は、園子温が監督・脚本・編集・音楽を手掛けたインディーズ映画。園が改めて原点回帰を遂げた、映画愛に溢れる瑞々しく鮮烈な青春群像劇に注目が集まっている。
『エッシャー通りの赤いポスト』とは、映画『仮面』に出演するため様々な境遇の人々が応募し、オーディション会場に集うストーリー。本作は元々、園がワークショップのために用意した脚本だった。撮影は2019年8月。映画内では、ワークショップを受講する役者たちと同じシチュエーションが用意され、同じ環境にある役を「演技」でどのように表現するかが求められた。鬼才・園子温VS役者選抜51人による鮮烈なバトルが今、始まる――。
自主映画からキャリアをスタートさせ、『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』など強烈な個性をもつ「怪作」を生み出してきた園子温。映画を作ることで原点回帰を遂げた園は、本作について「忘れていた感情が戻ってきた」と語った。予告編では「まだ何者でもない人」たちがオーディションに挑む姿や、園自身も経験した映画業界の「裏側」が映し出されている。
また本作は、2020年に「モントリオール・シネヌーヴォー映画祭 観客賞」を受賞。長いキャリアがありながらも根源的に繊細な作品を生み出す園に、本作を通じて再び注目が集まっている。
映画『エッシャー通りの赤いポスト』は2021年12月25(土)より、全国順次公開予定。映画製作の「今」を鋭く表現し、将来について多くの疑問を投げかけるストーリーも見逃せない。